大学入学は93年の春。18歳で移り住んだ神戸は、着々と建設が進む明石海峡大橋の主塔が見え始めていた。海岸線には、工事の様子を回転式の室内から見学できる舞子タワーがそびえ、「神戸と淡路が赤い糸で結ばれた」。そんなニュースが流れていた。
「命の恩人にお礼を伝えたい」。そんな親子の思いがかなう場面に立ち会わせてもらい、一緒に救助場所付近を歩いた後、神戸新聞社で話す予定だった。だが、次女の気持ちは揺れていた。当日朝、記者にメールが届いた。
昨年、キリンビール神戸工場(神戸市北区)に一通の手紙が届いた。送り主は阪神・淡路大震災で祖母と叔母を亡くした男性。手紙には、泥だらけの遺体を前にどうすることもできなかったあの時、キリンビールのトラックが届けてくれた水への感謝の思いが記されていた。(黒 ...
昨年11月中旬、高砂市立米田小学校4年生は、熊本県山都(やまと)町の石造りアーチ式水路橋「通潤橋(つうじゅんきょう)」について社会科で学んだ。農業用水の不足を解消するため、江戸後期の1854年に完成。今も一帯の水田を潤すが、悲願の達成には幾多もの困難 ...
神戸市中央区の東遊園地では「よりそう 1・17」の文字をかたどった灯籠に火がともされ、暗闇に浮かび上がる。昨年1月の能登半島地震など各地で災害が相次ぐ中、「被災地や被災者に心の中で寄り添う」との願いが込められた。30年の節目ということもあり、東遊園地 ...
阪神・淡路大震災で、大阪ガスは約86万戸へのガス供給を止めた。前例のない措置で、地震当日の1995年1月17日から二次災害を防ぐため断行。全面再開には約3カ月を要した。その間、社員らは刻一刻と変わる事態に必要な策を講じて対応した。(横田良平) ...
照来小学校(新温泉町桐岡)の「地域コーディネーター」として地域と学校をつなぎ、地元の魅力を子どもたちに伝えてきた照来地区公民館長の山本清孝さん(68)=同町塩山=が、県の「ひょうご子育て応援賞」を受賞した。
阪神・淡路大震災から30年となる17日、姫路商業高校の生徒たちが、神戸市中央区で開かれる「ひょうご安全の日のつどい」で演劇を披露する。テーマは「震災の記憶の伝承」で、ろう者にも伝わるよう、手話を交えて演技する。JR姫路駅前では同日、生活協同組合コープ ...
生後間もなく難病を発症し、人工呼吸器を付け在宅生活を送る浦野晃一さん(38)=高砂市。2004年の台風23号の後、家族が県の保健師と相談し、06年に「災害対応マニュアル」を作った。課題になったのは緊急時の電源。市の防災担当を通じ、地元の神爪自主防災会 ...
17日に発生から30年になる阪神・淡路大震災の被災地、北淡町(現淡路市)で生まれ育った女性が、消防士として新たな人生の一歩を踏み出した。淡路広域消防事務組合・洲本消防署(洲本市塩屋1)に所属する小山万桜(まお)さん(25)。一度は淡路島外で救急救命士 ...
4月開幕の大阪・関西万博にレストランの出店を発表したまねき食品(姫路市北条)。神戸ビーフを使った高級えきそばや丼、弁当などを販売し、店舗出口ではロボットを使った演出も用意する。14日に会見した竹田典高社長は「まねきを知ってもらい、将来に向けた縁も生み ...
6434人の命を奪い、数々の社会課題を浮き彫りにした阪神・淡路大震災は、発生から17日で30年となる。節目に合わせ、各地で追悼や防災の催しが開かれる。丹波市春日町棚原の氷上特別支援学校(全校児童、生徒計95人)では15日、初めて学外の機関や団体と連携 ...